無責任という快感フレーズ
世の中には、問題があり過ぎると思いませんか。
右を向けば問題、左を向けば問題。
あ、でも最近あんまり爆笑問題は見ない。
サンジャポとか見ないしな。
なーんか思うに、物や情報に溢れているこの時代では多くの人が、「足りない事に飢えている」のではないだろうかと思うのです。
そういう人たちにとっては、何でもかんでもが、もうすでにあるような状態なので、この荒探しこそが「新しい事」だったり「クリエイティブ」な事だと勘違いしているのではないでしょうか。
物事の問題点を探して指摘するのって、ちょっと気持ちイイところがあると思いません?
誰かが長い時間と大きな労力をかけて作った何かについて、「これって、こういう問題があるんじゃないですか?」と指摘するのは、短い時間と小さな労力で行うような物なので、マウントを取れるというか、俺はすぐに気が付いたぜ!俺はお前らよりも優秀だぜ!的な感じになれるからじゃないかなと思います。
そういう視点ってのは、よりユーザーに近い目線であるとも言えます。
一方で、責任の無い立場からの好き勝手な言い分であるとも言えます。
こんな例えで説明してみます。
大人の皆さん、学生の頃ってなんであんなに楽しかったのだろうかって考えた事無いですか?
気の合う友達が周りにいて、好きな事を好きな時に好きなだけやったりして、うまく行っても失敗してもいい思い出になるという学生時代。最高ですよね!
なんで楽しかったと思います?・・・若かったから?
いいえ、僕の考えでは「責任が無いから」だと思います。
自分たちには明日が必ず来るという事を疑っていないあの勢い。
無責任さこそが、あの楽しい日々の根本にあると思います。
思えば平気で危険な事もしてましたよね。
でも、それで死んだり、問題になるような事はないと信じ切っていた。
無責任ですね〜。
で、話を戻しますと、何かを指摘する時に感じる喜びってこれに近いんじゃないかと思うのです。
今、ご自分の抱えていらっしゃる「責任」の数を数えてみてください。
家族、仕事、お金・・・etc etc
それは幸せを運んでくれるものでもあります。
が、時たま「なんでこんな責任を負わないとならないんだろう」と思う事もあります。
以前、誰かに「責任」が多く成ればなるほど、その見返りも大きいんだ、という言葉を頂いた気がします。
僕も年齢を重ねる程に、何らかの新しい責任が増えていくような気がしています。しかし見返りはどこにあるのかを探そうとすると、絶望と言う壁が立ちふさがります。さらに周囲からは好き勝手言われて・・・。
こんな状況下ですので、責任が多くて重い人達はとても苦労しているでしょう。
この責任を感じている人達(ほとんどの人達がそうですが)は、
誰かの無責任を許せないような世の中になって来ています。
あ、もちろん大人であれば、無責任な行動は避けるべきですよ。
無責任でも良いって意味ではないです。
問題のある政治や、企業の不正や根拠のないサービスに対して、一斉に食って掛かってしまう事がありますね。ネットで炎上したりするのも、その一つかもしれません。
その時って心の中では「自分は責任を果たしているのに、こいつらは責任を果たしていない」と感じているような気がします。
ところが、責任と言うのは個人によって違います。
また、社会的な責任と個人的な責任も異なるものです。
大きな社会的な責任は個人が負えるものではないので、
問題を起こした個人を責めてもあまり意味を持ちません。
社会と個人の責任を混同する事の無い様にするべきです。
(※くどいようですが不正はダメ、絶対。)
だから、巷にゴロゴロと存在する根拠のないサービスをする企業に対して指摘する事は簡単かもしれませんが、無意味です。
間違っている、と言えばいいだけなので簡単に快感が得られるのですが、無駄です。
これからの時代、本当に必要な対応は、
そういった問題から目をそらす事かも知れないな。
と最近思うようになりました。
何度でも言いますが、
問題を見つけて指摘するという行為には、快感が伴うので辞めにくいです。
でも冒頭言ったように、世の中には問題があり過ぎるのです。
その問題に手当たり次第に構っていたら、あっという間に時間が過ぎてしまう。
そして気が付いたら、いい気になった自分だけが一人取り残されてしまうのではないか。そう思えて来ました。
だから、問題を指摘するという自慰行為から離れて、本当に集中すべき事に終始したい。
仮に、世の中に目に余るような問題があっても、それは結局のところ自然に淘汰される。いちいちオーバーリアクトして大騒ぎしようとするのは、限りある時間の無駄遣いである。でしょ?
この問題だらけの世の中で、今後どうやって生きるのか。
その一つが、情報の津波の中で、指摘したくなるような問題からはあえて目をそらす。
有益な情報を選んで、調べて、自分のやるべき事に活かす。
これってライフハックになりませんか。